笠井一子『京の大工棟梁と七人の職人衆』草思社

私たちはもはや無意識に、外気温に影響されにくく、一年中心地よい温熱環といった性能を高め、換気を機械に頼る住宅に住んでいます。

 

木造の家というのは、壁が、材木が、畳が、襖や障子が、いつも空気と湿気の調整をしてくれとる

中村外二 数寄屋大工

 

一方、日本の昔からの家は、木の1本1本の表情、自然界の個性を建築の中に生かすこと、すなわち、《生きている》ものとして扱うという技術を先達は備えていたことがわかります。この本は数寄屋大工の中村外二棟梁をはじめとし、左官、表具師、錺師、畳師、簾師、石工、庭師の7人衆の物語が書かれています。身体から出たことばがとてもうつくしい聞き語り本です。職人は身体からことばを生みました。

 

笠井一子『京の大工棟梁と七人の職人衆』草思社

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